【自作ドローンの製作Ⅱ】第4回:機体のスペック変更とホバリング飛行
はじめに
第3回では機体のハードウェア構成についてまとめました。
しかし、前回紹介したモータではトルクが足りなかったようでプロペラを満足に回すことができず、推力が得られませんでした。また、ナイロン素材のフレームが柔らかいためか、機体の振動もひどかったので、モータの変更、フレームの補強などを行いました。
改良の結果なんとかホバリング飛行はできるようになったので、今回は機体の改良部分とホバリング飛行について書こうと思います。
ハードウェアの改良
モータの変更
モータは今まで下記の「RCX NK1108 6000KV FPV Racing Motor for Mini/Micro Drone」を使用していました。
しかし、上記モータでは3025プロペラ(長さ:3.0インチ、ピッチ:2.5インチ)を回すことができなかったので、下記の「RCINPOWER GTS 1207 7500KV Brushless Motor for 2-3S RC Drone FPV Racing」に変更しました。
https://www.helimonster.jp/?pid=146593747www.helimonster.jp
現在は問題なく推力が出ています。最初に選定したモータは昔使ったことあるモータとKV値が同じだったので買ったのですが、KV値が同じだからといって同じプロペラを回せるわけではないということを今回学びました。個人的には販売ページに推力試験の結果を載せているモータを買うのが良い気がします。
フレームの変更
機体の振動を抑えるために、アルミ板で補強することを考えました。下記のようなアルミ板を1-off.jpで発注しました。大きいパーツが12,000円、小さいパーツが4000円ほどで製作して頂きました。
これらのパーツを機体に取り付けることで、フレームを固くすることができ振動を抑えられるようになりました。
ホバリング飛行
上記の改造を行った結果、ホバリング飛行はできるようになりました。以下がホバリング飛行の動画です。
現状、高さだけはToFセンサの値を使用した自動制御が可能になっています。プロポのスイッチを切り替えるとその時の高さを維持するような制御がかかります。
並進の自動制御に関してはオプティカルフローセンサのノイズが酷く、それを解決する方法がまだ浮かんでいないので実装できていないです。加速度センサなどのデータも活用してカルマンフィルタなどを組んだほうが良いのかもとは思っていますが、フィルタ設計やったことがないので時間がかかりそうだと思っています。
手っ取り早い解決方法は、横にToFセンサを取り付ける方法だと思いますが、センサの数が増えるのが課題ですね。
ホバリング飛行時の位置・姿勢データ
ホバリング飛行動画のログデータを載せておきます。位置・姿勢どちらもPD制御をしています。
姿勢:Roll
横軸:時間[s]、縦軸:姿勢[deg]です。Rollは目標値に対して追従できています。
姿勢:Pitch
横軸:時間[s]、縦軸:姿勢[deg]です。Pitchは目標値に対して少しオフセットがあるけど追従できています。オフセットなくすにはPゲインを上げる?
姿勢:Yaw
横軸:時間[s]、縦軸:姿勢[deg]です。Yawはもう少しPゲインを上げたほうが良さそう。
位置:Z
横軸:時間[s]、縦軸:位置[m]です。Z軸は全体的にPもDもゲインが足りてないので調整が必要ですね。
速度:XY(オプティカルフローセンサ生値)
横軸:時間[s]、縦軸:速度[単位不明]です。センサの生値なので単位は不明です。この値をどうやって綺麗にしようか悩み中です。
おわりに
今回は機体の改良部分とホバリング飛行について書きました。
XY並進の自動制御は一旦保留にします。次回は傾いた姿勢でホバリングしている動画が見せられればと思います。
追記(2022/10/15):諸々の事情(主にモチベ低下)で【自作ドローンの製作Ⅱ】については一旦ここで終了にします。次は傾いた姿勢でホバリングできるドローン作れればいいな...。